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動物別症例集 7ページ目

フクロモモンガのアポクリン腺癌

一般的に高齢の犬にできる腫瘍であるアポクリン腺癌は、便が出にくい・多飲多尿・肛門周りが腫れるなどの症状や、腰下リンパ節に転移しやすいのが特徴です。フクロモモンガの育児嚢にみられる腫瘍は極めて稀で、腫瘍自体の報告も少ないです。犬に見られるアポクリン腺癌と同様、外科摘出しても再発・転移しやすい腫瘍と考えられ、育児嚢に発生したアポクリン腺癌は乳腺由来の腺癌と考えられます。

モルモットの乳腺腫瘍

モルモットの乳腺腫瘍は雄に発生が多く、若齢でもみられます。一般的に7割が良性、3割が悪性と言われています。

治療の第一選択は外科的に摘出することです。化学療法(抗癌剤)は確立されていません。

モルモットの尿結石

上記の写真は尿道に尿石が詰まり排尿痛を呈しているモルモットのレントゲン画像です。

尿石症の発生要因としては、カルシウムや、ビタミンDの含有量の高い食餌や、飲水量の不足、不衛生な環境における細菌感染などが考えられますが、遺伝的素因も大きく考えられます。

尿石による尿路閉鎖が起きてしまいますと、排尿時に痛くて鳴いたり血尿や頻尿がみられ、食欲不振になって腸内細菌叢のバランスも崩れて消化器疾患も併発することもあります。

治療は外科的に摘出することが主とされています。自然排泄にて尿結石がなくなることもありますが、確実性が乏しく、外科的処置を遅らせることで容態を悪化させる場合があります。内科的な治療としては抗生剤や鎮痛剤の投与が考えられますが、根本的な治療ではないため、外科と内科、両方の処置をすることが望ましいとされています。

モルモットの子宮平滑筋腫

モルモットはウサギと同じように生殖器疾患になりやすい動物です。

血尿、食欲不振、腹囲膨満、左右対称性脱毛などが認められた場合には精密検査をおすすめします。

治療は外科的処置が必要になります。

モルモットの脂肪腫(多発性)

皮下組織に脂肪の塊のようにできる腫瘍を脂肪腫といいます。原因は不明ですが、良性腫瘍なので害はありません。腹部・胸部などの皮下組織に形成され、発生部位によっては支障が出ることがあります。

外科手術によって切除すれば完治しますが、しばしば再発することがあります。

皮膚に腫瘍が見つかれば、悪性皮膚腫瘍の可能性もあります。放置せず、なるべく早めに病院で検査をしましょう。

チンチラの尿道結石

膀胱でつくられた結石が尿道につまっている状態を尿道結石といいます。

症状は、血尿となることが多く、また、排尿しようと長時間踏ん張っていたり、何度も排尿姿勢をとるのにほとんど尿が出ないというものです。更に、尿が出ていない状態が続くと急性腎不全となり、尿毒症を起こすこともあります。

治療は外科治療になります。尿道にある結石を膀胱内に押し戻して膀胱切開して摘出しますが、押し戻せない場合には、尿道切開により摘出します。

疑われる症状がある場合には早めに病院に行きましょう。

チンチラの皮膚糸状菌症

イヌ小胞子菌というカビの一種(真菌)によるものが感染しておこる病気を皮膚糸状菌症と言います。幼体での発生が多く、皮膚免疫能が低下している場合があります。

鼻、眼、耳のまわり、あるいは前足に脱毛とフケがみられます。特に鼻のまわりにはよく見られ、円形の脱毛が特徴的です。治療は抗真菌薬のぬり薬やの み薬を使用し、予防は清潔な環境に保つことが大切です。

プレーリードックの拡張型心筋症

左心室の拡大を伴って、徐々に心筋収縮機能が低下し、心不全を発症する心臓病のひとつに拡張型心筋症があります。3歳~4歳のプレーリードックに比較的多く疾患が発症し、症状が進行すると、胸水の貯留や肺水腫が起こってきます。拡張型心筋症では左室内径短縮率(FS)の低下がみられます。
治療法は血管拡張薬や強心薬などを用い、肺水腫・胸水の貯留がみられた場合は利尿剤などを使用します。

コツメカワウソの内部寄生虫

イタチ科の食肉類で東南アジアに生息するコツメカワウソは、最近ペットとして人気の動物で、カワウソの種類の中では最も小さい種類です。食生活は魚類、爬虫類、昆虫、甲殻類、貝類などで、ペットとしてはフェレットフードなどを食べます。食性から消化管内寄生虫が見られることもあり、食欲不振・下痢などの症状がでるようなら駆虫する場合もあります。

トビネズミの骨折

トビネズミの足は細くて長いため、骨折などの事故を起こす危険性が高いです。治療法は、折れた骨の中にピンを挿入して固定し、周囲をギプス固定をして、骨が回転しないようにします。活動的なので再骨折に注意が必要です。

骨折予防として、網のケージではなく水槽などでの飼育が適しています。

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