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動物別症例集 4ページ目

ウサギのツメダニ

ウサギの皮膚疾患のひとつにツメダニ感染があります。

症状として、体幹背側部(特に頸部)に痒み、脱毛、鱗屑(フケ)、が見られます。診断は鏡検で虫体を検出します。

治療は滴下式駆虫薬(セラメクチン)が効果的です。

フェレットの異物による腸閉塞

フェレットの消化器疾患ではよく見られる疾患です。
異物の種類は年齢により違いがあり、2歳以下の子は布、スポンジ、ゴムなどをよく飲み込んでしまいますが、中~高齢の子では自身の毛の塊(毛球)を詰まらせてしまうことが多いです。

重度の場合は嘔吐、流涎、下痢、体重減少等の症状がみられますが、初めの頃は元気消失、食欲不振などの非特異的症状で気付きにくいです。

基本的には画像診断(レントゲン、造影レントゲン、エコー検査)によって診断しますが、最終的には試験的な開腹手術で確定することもあります。

治療法としては開腹手術が行われ、胃や腸を切開して異物を摘出します。

フェレットのインスリノーマ

膵臓の腫瘍によってインスリンの過剰分泌が起こり低血糖となります。中~高年齢のフェレットによく見られます。フェレットの血糖値が70mg/dl以下の場合はインスリノーマ疑いとなります。

症状は、活動性の低下、腰のふらつき、よだれ、が初期に見られます。さらに起立不能、失禁、痙攣発作などの症状も発生する場合があります。

治療は原則的に内科療法です。血糖値上昇作用のある副腎皮質ホルモン製剤(プレドニゾロン)やジアゾキシドを使用します。

フェレットのリンパ腫

犬や猫と同じく、リンパ組織のあるところならどこにでも発症します。フェレットのリンパ腫は多中心型、縦隔型、消化器型などに分類されます。

症状は食欲不振・体重減少・虚脱・貧血・発熱など非特異的なものから、型によって、嘔吐・下痢・胸水・腹水・呼吸困難・排尿困難・後肢麻痺・多臓器不全・全身リンパ節の腫大・脾臓の腫大と発症部位によって種類や症状が様々です。

治療も犬・猫と同じ多剤併用の化学療法(抗癌剤)になります。

フェレットの副腎疾患

フェレットの副腎疾患は、中年期以降に多発する疾患であり、性別による差は見られず、副腎腫瘍が原因で発生した性ホルモンの分泌異常が臨床症状を発生させます。フェレットが体調を崩した時に、まず思い浮かべるのは副腎の病気といってもよいくらいです。

症状は、薄毛の進行、外陰部の腫脹、乳首の発赤、乳腺部の腫脹などが見られ、排尿回数が増加したりする場合もあります。また稀に、排尿困難を呈する場合もあります。

治療に関しては、腫瘍性疾患であるため、外科的摘出が完治をもたらす唯一の治療法です。しかし、外見上の副腎腫瘍の症状を呈して来院されたフェレットの大半においては、まずは内科的治療を選択してホルモン異常を治療しながら、副腎腫瘍の増大傾向や年齢、体調などを考慮し、エコー、レントゲン、血液検査などの検査の結果で摘出手術の時期を検討する場合が多いです。内科的治療薬としては、リュープリンという商品名の薬剤が使用され、一度の投与で効果が約一か月間持続します。

ハムスターの直腸脱

概要
ハムスターは直腸脱を起こしやすい動物として知られています。
過度にお腹に力が入ったときに直腸が肛門から飛び出してしまった状態になり、これを直腸脱とよびます。

原因
加齢や重度の下痢、便秘などが原因となって起こります。
下痢にはウェットテイルと呼ばれる腸疾患や寄生虫が関わっていたり、便秘には腎不全や水分摂取不足などが関与していることがあります。

症状
飛び出してしまった腸は、感染やうっ血を起こしてしまいます。
ひどいときは腸が壊死してしまったり全身に感染がまわって、命にかかわることも多いです。

治療
なるべく早くに肛門内に戻します。
再脱出することも非常に多いので縫合糸で肛門を狭めるような処置も行います。
また、同時進行で原因となるような疾患の治療も行います。

ハムスターの頬袋脱

ハムスターには食べ物や床材を入れて運んだりする頬袋が口の中に左右にふたつあります。その頬袋が反転し、口から飛び出したままになってしまうことを頬袋脱と言います。原因として頬袋の損傷、感染により炎症を引き起こした場合や内容物の付着により単純に脱出した場合があります。炎症が少ない場合やただの脱出 だと戻すことは可能ですが、ひどい場合は切除手術が必要となります。

ハムスターの皮膚腫瘍

皮膚腫瘍が多い動物としてハムスターが挙げられ、扁平上皮癌、繊維肉腫、扁平上皮癌、繊維肉腫、皮膚型リンパ腫、乳頭腫、アポクリン腺腫などがあります。リスク・年齢などを考慮して保存療法を選択する場合もありますが、基本的には外科的摘出が基本となります。

ハムスターの皮膚型リンパ腫

リンパ腫は原因不明で完治が困難な悪性腫瘍です。栄養、遺伝、ウイルス、化学物質、免疫異常等が発生要因だと考えられています。

主に背部に、脱毛、発赤、痂皮、潰瘍の皮膚病変が発生します。二次感染を起こすと化膿します。病変が大きくなるにつれ衰弱して死に至ります。

確定診断には、患部の病理組織検査が必要です。

治療としては免疫賦活剤やステロイド剤、二次感染治療のために抗生剤などの対症療法を行います。抗癌剤はリスクが高いです。

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