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動物別症例集 2ページ目

猫の尿管結石

猫の尿管結石

猫ちゃんの尿管(腎臓から膀胱の間)に石が出来る病気です。

症状としては、
食欲不振や嘔吐、下痢、元気消失、尿量の減少を起こしたり、
痙攣やショックなど重い症状が出ることもあります。

経過や全身の状態、検査結果などを含めて治療をすすめて行く必要がありますが、
根本的に石を無くすためには、外科的な摘出が必要となります。

ただ、石を取り除いた後も腎臓の評価と内科治療や食事療法など
継続的なケアが大事な病気です。

文鳥のトリコモナス

文鳥さんでそのう検査をするとちょいちょい出てくるのがこの原虫です。

文鳥にかぎらず、セキセイインコなど小鳥さんで良く見られます。

吐きそうな様子だとか、口をモゴモゴするのが多いとか、食欲が減ったとかでご来院されることもありますが、
何も症状がなくて、健康診断でそのう検査をすると出てきたということもあります。

駆虫薬を使用することで駆除できることが多いので、
新しい子をお迎えした時は、そのう検査もしてチェックしてあげることをおすすめします。

ハリネズミの絞扼症例

ハリネズミの絞扼症例

小動物全般で、足先などの細くなっている部分に
糸などが絡まって、締め付けられ、組織や血管が圧迫される状態を絞扼と言います。

糸が絡まっただけ、という単純な状態ではなく
足先に血が流れなくなってしまうと、壊死してしまう可能性もある怖い状態です。

早急に絞扼部位に絡んだ糸を外してあげる必要があり、
血液が戻れば、足先も正常に戻る可能性もあります。

ただ状況によって、血流が戻らなかったり、本人が自分で噛んでしまったりする場合には
断脚になってしまう場合もあります。

足先に糸が絡まないよう、飼育環境の見直しをすることも大事です。

脱皮不全を起こしたヒョウモントカゲモドキ

脱皮不全を起こしてしまったヒョウモントカゲモドキさんですね。

爬虫類を飼われている方なら良く見る「脱皮」
これが正常に行われていれば、
脱皮後に皮が残ることはないんですが、
上手く脱皮できない子の場合
手や眼の中に脱皮片が残ってしまったりします。

脱皮片が残ってしまうと、
指先が締め付けられて壊死してしまったり
眼が開けられなくなって食事が取れなくなったりすることもあります。

残ってしまった脱皮片に対しては
お湯などでふやかしながら、ピンセットや綿棒で優しく剥がしてあげたり
生理食塩水などで洗い流してあげる必要があります。

また根本的には脱皮不全になってしまう原因があるため
脱皮のしやすい環境にしてあげたり
病的な原因を排除していく必要があります。

カメの嘴の異常(嘴過長)

カメの嘴の異常(嘴過長)について


カメは歯を持たず、代わりに「嘴」を持ちます。
嘴は普段伸び続けていますが、適切なかみ合わせによって
正常な形を保っています。


カメの嘴が異常になる原因として
物理的要因(外傷、繊維質の不足)
栄養的要因(ビタミンA欠乏、蛋白質過剰、栄養失調)
病気(肝疾患、口内炎、代謝性骨疾患)などがあげられます。


異常な嘴の治療としては
嘴の整形をするとともに
原因に対する対処も必要となります。


飼育管理の不備によっても起こることがありますので、
飼育に不安がある方は病院やペットショップなどで
しっかり飼育の仕方を指導してもらってください。

デグーの後肢の骨折

デグーの後肢の骨折

デグーさんは結構骨折することが多いです。
ケージに挟んでしまったり、
人の肩から飛び降りて骨折してしまったりします。

症状としては、
足を痛がってあげたままになったり
痛みで食欲が落ちたりします。


折ってしまった部位にもよるのですが、
ギプスのようなもので固定したり、針を骨に入れて固定したり
痛み止めを使ったりなどの治療を行います。


足をあげているデグーさんを見かけたら
なにかしら痛めている可能性もありますので、
病院に診せてあげてください。

モルモットのダニ症(モルモットズツキダニ)

モルモットのダニ症(モルモットズツキダニ)

モルモットさんの毛全体に黒くて小さな動く物体が認められたので
顕微鏡で確認するとこれが見えました。

モルモットズツキダニと呼ばれるものですね。
痒みや脱毛を起こすこともある寄生虫です。
治療としては駆虫薬を使用したり、
環境を消毒したりする必要があります。

他にもモルモットさんには
ダニなどが付着することがあり、
ハジラミ類や疥癬などの報告があります。

程度の差はありますが、
症状としては、脱毛、皮膚炎、痒みなどが起こります。
治療方法は、駆虫薬と環境の消毒などになります。


もしお家のモルモットさんが痒がっていたり
脱毛してきたなどあるようであれば病院に連れて行ってあげてください。

エボシカメレオンの卵閉塞

この写真はエボシカメレオンの卵塞を呈したレントゲン画像であり、下腹部に見られるぼこぼこした白い塊状のものは全て卵です。

基本的にエボシカメレオンの産卵数は多く一回あたり20~80個ほど産卵しますが、それができないことによって腹部にたまった卵により消化管が圧迫され、食欲不振、腹部膨満が見られます。

原因としては、産卵行動の前に行う掘る行動を満足にさせるだけの土がない場合や、紫外線不足、低気温などの飼育環境の問題や、カルシウム不足などの食餌の栄養の偏りなどがあげられます。

内科的治療としては、カルシウム不足による機能的卵塞を考慮し、カルシウム剤の投与や、卵管収縮作用があるオキシトシンの投与などがあげられますが、一般状態が低下している場合は内科療法よりも、外科的に摘出するほうが良い結果につながる場合もあります。

セキセイインコの精巣腫瘍

写真のように精巣腫瘍を呈してしまいますと腫瘍から女性ホルモンが多く分泌され、雄であるにもかかわらず、ロウ膜が角化亢進し茶色くなり、その他、太りやすくなったり、飛ぼうとしてもすぐに落ちたりすることもあります。

状態が進行すると、大きくなった腫瘍が消化管を圧迫し、食欲低下、吐き、便が出ないなどの、消化器疾患が見られたり、腹水が溜まり腹部膨満がみられ、肺を圧迫し呼吸困難になる場合などがあります。


治療としては、発情抑制剤を使用し、女性ホルモンの分泌を抑制します。
早期であれば精巣腫瘍を摘出することで完治が望めますが、リスクが高く、現在のところ実施されることはほとんどありません。

ハリネズミの神経症状に対するMRI検査の有用性

神経症状を呈し、ふらつき症候群(WHS)を疑うハリネズミに対し無麻酔下でのMRI検査を実施した二症例について、2018年のエキゾチックペット研究会にて症例発表を行った。
脳炎および脳腫瘍を強く疑う所見を今回実施したMRI検査により得られたため、様々な神経症状に対して生前診断が可能となる事が判明した。
ハリネズミでのMRI検査の報告は未だなく、適正なデータはまだ存在しない。
今後はデータの蓄積や不動化状態での撮影、さらに造影剤を用いた撮影を行う事により精度の高い診断を行う事が課題であると言える。

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