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動物別症例集 : 猫 2ページ目

猫の会陰尿道廔

尿道炎や尿石症など何らかの原因で尿道が閉塞すると排尿困難になり、この状態が24時 間続くと命に関わることになります。特に雄猫に好発し、尿道にカテーテルを入れて閉塞を解除し、内科的治療や食餌療法などで症状は改善しますが、再発を繰 り返す場合には外科手術が適応になります。

狭い陰茎尿道部分を切り取り、比較的広い骨盤尿道から直接排尿できるように尿路を作り替えてしまう会陰尿道瘻術 という手術です。術後に尿道開口部が感染しやすいために適切な管理が必要となります。

猫の皮膚糸状菌症(真菌性皮膚炎)

皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)の感染を原因とする感染症で、表皮の角質層、 被毛、爪において増殖する病気を皮膚糸状菌症といいます。環境(土壌)からまたは他の猫との接触により感染し、子猫、老齢猫あるいは何らかの疾患を持ち免 疫機能が十分でない猫で発症しやすくなります。症状は、顔、耳、四肢の一部分などにフケやかさぶたが見られるようになり、円形などの脱毛ができます。

また 脱毛部分を掻く動作なども見られるようになります。治療には、抗真菌薬の内服やローションや軟膏などの塗布が行われ、抗真菌薬の入ったシャンプーで薬浴を 行うこともあります。

猫(スコティッシュ)の骨関節症

猫の骨関節症は、動作時に困難と痛みを伴う変形性の関節疾患です。主に中年期 から高齢期に見られますが、若年層でも発症することがあります。スコティッシュホールドは遺伝的に発症することが知られています。

変形性骨関節症は完治す る病気ではありませんが、体重制限・適度な運動・内科的治療(鎮痛消炎剤など)などで症状を緩和できる場合があります。

猫の子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、「開放性」と「閉塞性」に分けられます。開放性では膿が外陰部から排泄され、気付くことが多いですが、閉塞性では気付きにくく重症化します。

治療は、卵巣・子宮全摘手術です。ショック状態にある場合には、状態を安定させるために点滴や抗生剤の投与を行います。
若いうちに避妊手術を行えば、子宮蓄膿症だけでなく乳腺癌の発症を予防することができます。

猫の縦隔型リンパ腫

猫白血病ウイルス(FeLV)の感染が関与し、FeLV陽性の若齢の猫に発症することが多いと言われています。
元気消失、食欲・体重の低下、嘔吐、下痢が見られます。胸水が溜まると咳、呼吸困難、チアノーゼなどの呼吸
器症状が見られます。

治療は抗癌剤を用いた化学療法が行われます。胸水が溜まって呼吸困難の場合は、胸水を抜去します。
予防としては、発症に関与するFeLVに感染しないようにワクチン接種を行い、室内飼いにして、感染の可能性を
できるだけ減らすことが重要です。

猫の下部尿路疾患(FLUTD)

猫の泌尿器系の疾患のことを猫下部尿路疾患(FLUTD)といい、膀胱炎や膀胱や尿道の尿石症、尿道炎などのことをさします。

治療:症状によって様々ですが、尿道結石などで尿道が閉鎖されている場合には緊急の処置となります。尿道の通りを良くするためにカテーテルを用いて洗浄をおこないます。閉鎖されて時間がたっているばあいには点滴治療もおこないます。

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