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動物別症例集 : エキゾチックアニマル 4ページ目

ハリネズミの眼球摘出

眼球が飛び出しやすい原因として、眼球が入っているくぼみ(眼窩)は比較的浅く、これはハリネズミに特徴的な構造です。先天性、外傷、肥満、生活環境不適合 などが原因で眼球が突出してしまいます。

重度の場合は外科的に摘出しなければなりませんが、軽度の場合は内科的治療(抗生物質・消炎剤の点眼薬や内服薬) などで完治することもあります。もし目を気にしている様子ならば、早めに動物病院に連れて行きましょう。

デグーの脊索腫

デグーは他の動物に比べて腫瘍は少ないとも言われていますが、血管腫、肉腫、リンパ腫、歯牙腫、線維腫、線維肉腫などの報告があります。デグーの腫瘍については、情報が非常に少ないのが現状です。脊索腫とは、通常胎児期のみに認められる脊索という機関が出生後も残存し腫瘍化したもので、一般的に尾の付け根辺りにできます。フェレットでは、通常尾の先端に塊状の腫瘍が形成されます。脊索腫は悪性度は低い腫瘍に分類されますが、外科切除が推奨される腫瘍です。ただし、デグーの脊索腫については文献による報告がなく、挙動や悪性度などは正確にはわかっていません。

※本症例は、病理専門医の近藤広孝先生執筆の元、海外の学術論文に掲載されました。
Kondo, H., Hara, K., Sukegawa, A., & Shibuya, H. (2018). Chordoma of the Tail in a Degu (Octodon Degus). Journal of Exotic Pet Medicine, 27(4), 1–4. https://doi.org/10.1053/j.jepm.2017.10.025

デグーの不整咬合(不正咬合)

デグーの歯は切歯(前歯)・臼歯(奥歯)ともに一生伸び続け、硬いものをかじったりすり潰すことで削られていきます。
歯をこすり合せることが不足したり、ケージを齧ったりして、かみ合せが悪くなった状態を不整咬合(不正咬合)と言います。

特に臼歯の不整咬合では一部分のみが削れて棘状縁という尖った部分ができ、それによる刺激で舌や頬の内側に潰瘍を形成することがあります。見た目に分かりづらく、症状がひどくなってから来院されるケースも珍しくありません。

症状は主に食欲不振と流涎(よだれ)です。牧草等の硬いものが食べられなくなることが特徴です。
そのほかに体重減少、くしゃみ、目やになどがみられることもあります。

一度不整咬合となったデグーは定期的な歯削りが必要になります。
不整咬合が軽度の子は無麻酔でも歯削りが行えますが、全身麻酔下での処置が必要な場合もあります。

不整咬合は予防が重要です。チモシー一番刈りのような繊維を多く含む牧草をたくさん食べてもらい、ケージ齧りを防止するために齧り木を用意しましょう。

デグーの妊娠

デグーのメスは4歳くらいまで繁殖でき、生後6ヶ月で性成熟を迎えます。相性が合えばオスとメスを同じ場所で飼育すると自然に交尾が行われ、受精するようになります。平均3~6匹出産し、妊娠期間は約90日ほどです。妊娠診断はレントゲン・エコーなどで行います。また、洋梨体型・胎動・急激な体重増加などの見た目で判断する場合もあります。

デグーの子宮平滑筋肉腫

子宮の平滑筋肉腫は子宮の筋層にある平滑筋から発生し、子宮、腸、胃、全ての血管の壁、皮膚を含む身体のほとんどの部分で見られます。治療は抗がん剤治療や放射線治療が主ですが、効果があまりみられないことも多いです。デグーは子宮に発生した平滑筋肉腫はほとんど例が無く、腫瘍発生率の低い動物種と考えられています。

デグーの尻尾切れ

デグーはシマリスと同様に尾をつかんだりひっぱったり踏んだりすると尻尾が切れやすい動物で、尻尾の中の筋肉や骨がむき出しになってしまいます。

抗生物質の治療をして、感染を防ぎます。その後1~2週間程度で乾燥して自然に取れることが多いのですが、自分で齧ってしまって出血が止まらなかったり感染して膿んでしまった場合は断尾の手術が必要な場合があります。

デグーのペニス脱

デグーでは、外傷・尿路系疾患や発情期が原因でペニスが脱出したままになることがあります。この状態を放置しておくと表面が乾燥してしまったり、自分でかじったり舐めてしまったりすると元に戻らなくなってしまうこともあります。最悪尿が出なくなり、亡くなってしまうこともあります。抗生剤や消炎剤などで治療し脱出したペニスを元に戻しますが、乾燥して壊死した部分やかじってしまった部分は外科的に切除したり包皮を縫合したりすることがあります。

フクロモモンガの自咬症

何らかのストレスが原因で自分の体を自分で傷つけてしまうことを自咬症といいます。特に性成熟を迎えたオスはしっぽを咬みちぎってしまうことがよくあります。損傷部位の治療として断尾をしてエリザベスカラーの装着をしますが、同時に去勢手術をすることが推奨されています。写真は噛みちぎったしっぽの根元を断尾して縫合したものです。

フクロモモンガの去勢

本来フクロモモンガは集団生活をしているので、単独飼育されているとストレスで自咬症がよく見られます。特にオスで頻発し、四肢や生殖器を傷つけてしまいます。自咬症の解決策のひとつは去勢手術であるとの報告があります。もちろん、繁殖をさせない目的での去勢手術も行います。

フクロモモンガの裂傷

フクロモモンガは俊敏性に優れ行動範囲が広いため、狭いケージのなかではとくに体をぶつけたり落下したりしやすくなっています。また複数飼育の場合でも相性が悪いと喧嘩などで傷になってしまうことがあります。そしてフクロモモンガは自咬症が多い動物なので、その傷がさらに拡がってしまう可能性があります。小さな傷でも病院での消毒・抗生剤による治療が必要です。大きな傷は全身麻酔による縫合が必要となります。

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